近視や遠視、乱視に対しては通常眼鏡やコンタクトレンズで矯正するのが一般的ですが、眼鏡やコンタクトの煩わしさから解放されたい方に対しては、屈折矯正手術という選択肢があります。屈折矯正手術としては現在レーシックが最も普及しています。レーシックは優れた手術方法のひとつですが、角膜をエキシマーレーザーで精密に削って加工する手術であるが故に次のような欠点があります。
当院では、レーシックにかわる新しい屈折矯正手術であるICL手術を行っています。
ICL(眼内コンタクトレンズ)とは、角膜と水晶体の間に薄いレンズを挿入することにより屈折異常を矯正するレンズです。目の中にコンタクトレンズを埋め込むようなイメージをしていただくとわかりやすいかと思います。
「ICL」は、コラマー(Collamer®)という特殊な素材から作られています。コラマーはHEMAを主成分とする含水性ポリマーで、コラーゲンを含むことで眼内での生体適合性を向上させています。生体適合性を向上させることで、長期にわたって炎症を抑制し、細胞付着などを防ぎます。
このコラマー素材を用いた「ICL」は1997年にヨーロッパでCEマークを取得し、2005年には米国FDAより認可を受けています。 日本では国内で実施した臨床試験データを元に、2010年2月に厚生労働省より有水晶体後房レンズ(医療機器製造販売承認番号:22200BZY00001000)として承認されました。
従来のICLは房水の流れをさまたげる可能性があったので手術前にあらかじめ「レーザー虹彩切開術」を行う必要がありましたが、最新のICL(KS-AquaPORT®)では、房水の流れがスムーズになったため、この処置が不要となり、より安全性が高まりました。
当院では、平成26年4月以降このKS-AquaPORT®を全症例に使用しています。
ICL手術は「自由診療」です。厚生労働省に正式に認可された治療法ですが、レーシック等と同様に健康保険は適用されません。
ただし保険会社による医療保険は適用される場合がありますので、医療保険に加入されている方は保険会社にお問い合わせください。